組織の壁(その1)

企業には組織があり、組織ごとの目標設定があり、社員は組織長のもとで働いている。すると、いつのまにか隣の部署が何をやっているのかがわからなくなっている。
コンサルタントなど世の中への提唱者は、フラット化組織、ティール組織、メタ組織などのアイデアを出しているものの、現実に実行している企業はどれほどあるのであろうか。

さまざまな企業が、組織を抜本的に変えることなく、「仕組み」「仕掛け」による智慧で、組織の壁を打ち破ってきた。例えば、日産のかつてのリバイバルプランでは、現状の組織を維持しながら、クロスファンクショナルチーム(CFT)を組成した。このチームメンバーのCFTの活動は、所属する直属の組織長には報告をしてはならないルールとなっており(所属長は歯がゆかったであろうと推察する)、CFTの活動は経営トップに直接報告される。そこでトップの判断で何らかの指示が下りてくれば、はじめて所属長はその指示内容を把握し、オペレーションがなされる仕掛けであった。

CFTのテーマ決めやメンバーの選定など、さまざまなプロセスもあるが、ここでのメッセージは、独自の「仕組み」「仕掛け」を考えることである。